四柱推命は「占いの帝王」とよばれることもある、結構理論もしっかりした重厚な占いです。
生年月日と、できれば生まれた時間がわかれば、かなりその人のことを詳細に占うことができます。
四柱推命の四柱というのは、この、生まれた年、月、日、そして時間の4つに対応するわけです。
来年、2023年の干支(えと)は?と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?
「うさぎ!」
ですよね。

でも本当は、癸(みずのと)卯(う)です。来年のカレンダー買う時、一度見てください。きっとどこかに書いてあります。
で、2023年には癸卯という干支があって、実は年だけでなく、月、日、そして時間にも干支があるんです。
生まれた年月日と時間で4つの干支があるということで、この八つの文字で占います。
なので、四柱推命のことを八字(パーツ―)と中国では呼ぶこともあるようです。
1200年代に徐大升が書いた『淵海子平』という四柱推命の本があったりするので、「子平」ということもあります。
東洋占星術と呼ばれることもありますが、ほんとの意味での星は出てきません。
あくまでも抽象的に星という言葉が出てきますが。
でも、陰陽五行の考え方は、暦や天文学、そして医学(漢方や鍼灸などの東洋医学)にも使われます。
暦は太陽の動き(実際には地球の公転ですが)にも関連しますので、占星術といわれてもそんなに違和感はありませんが。
東洋占術には五術という考え方があり、命(四柱推命など)、卜(ぼく、易など)、相(手相や人相など)、医、山(キョンシーの世界、養生、道術)があります。その中の命ととらえるのもありでしょう。
卜はいますぐのこと、タロットなどに似てますが、そういう占いです。サイコロ振るじゃないですけど、なにがしか神からの啓示を受けて判断します。なくしものがあるときはいいですね。今日、明日のことにも向いてます。
命は生年月日時間を使うもので、1~2年、10年、30年など長い単位です。人生の進み方について示唆を与えます。
四柱推命の歴史、ということで考えると、殷時代の甲骨文に六十干支があったのが最初といえるでしょう。
ただ、それは、年干支なので、いまでいう神殺のような占い方です。
生まれた歳で占うと、結構おんなじ結果になる人が多いので、あんまり信ぴょう性が少なかったりします。そういうこともあり、時代が進むにつれて、ある時期から、日干支を中心とした、今の四柱推命の原型のようなものがでてきます。
占いとは別に、陰陽五行の考えも、陰陽と五行と別々に発達して、のちに合流し、発展しました。
最初は五行相剋、そのあと五行相生の考え方が出てきました。
大体、今の四柱推命の形が出てきたのは、四柱推命を「子平」というきっかけにもなった、宋の時代の「淵海子平」という本が出たころでしょう。
しかし、一番重要な文献はなに?と聞かれれば、それは明にかかれた滴天髓でしょう。
日本には桜田虎門が淵海子平を訳して推命書をひろめたのですが、それには結構誤訳も多かったようで、その後、大阪で阿部泰山がいろいろと翻訳し、泰山流ということで広めてきました。
現時点で一番メジャーな流派でしょう。
阿部泰山全集もすごい分量です。

しかし、その阿部泰山も、死ぬ間際に、「あー滴天髓をもっと勉強しておけばよかった」と、ほんとにそんな言葉をいったかどうかは知りませんが、そういう感じのことを言い残したようです。
とはいえ、滴天髓は、目次のような簡単なもので、行間を読む力がないと難しいところではありますが。
といっても、なにが淵海子平でなにが滴天髓なんだ、って思う人も多いでしょう。
また、四柱推命って流派が多いらしく、流派が違うと解釈が違って困る、迷う、と思う人も多いでしょう。
じつは、歴史を紐解くと、その流派の違いがわかってきます。
神殺→通変星→調候用神→十干鑑法、って感じでしょうか。
歴史によって形が変わっていったものが、古いものが消えることなく残ることによって、いまでは多くの流派があるというわけです。
最初は生まれた年でやってたけど、四柱推命はやっぱり日干中心で、あと月支(季節)とのかかわりで通変星だけで占うようになります。比肩とかですね。甲日で春月うまれだったら、木が強すぎっていって比肩とかなるんですけど。
もちろん、春月といってもいろいろ細かく陰陽に分ける場合もありますが。
でも、阿部泰山なども、通変星に偏りすぎだって批判され、十干を意識した占いがでてきます。
つまり、おんなじ比肩でも、甲日もあれば庚日もあるわけで、というその区別をしようということ。
でもやっぱり、通変星+日干の合わせ技でお茶を濁すのが普通じゃないですか?
それをもうすこしちゃんとやろう、という流派もあったりします。
滴天髓はそのあたりをちゃんとやってるんですね。
あと、占いのアレンジとしては、2X4で4つの干支を横に並べた時に、日干の右や左、特に右にある月干とのかかわりを解釈にいれるとか。まぁそんな感じですよね。
年干支は親の子ととか、時干支は未来のこととかいうけど、本当は一生の動きは大運などでみないといけないので、そのあたりはさぼらずちゃんと占ってあげたほうがいいですよね。
あと、昔から日干と季節、月支を一緒にみるのは普通として、それらをもって、調候用神を出すという話があるんですが、通説で使われている表、結構嘘がおおくて、そのあたりも、自分でしっかり理解して正しく解釈しないとだめですね。
そのあたりもおいおい話していくことになるでしょう。
用神にもいろいろありますからね、たしか5種類くらいあったかな。
なにせ、四柱推命は、これというバイブル本が皆無で、だれも理論を完成させてないという状態で日本に伝わりましたから、なかなか難しいものがあります。
自分自身で基本の占い方をマスターしたら、まずはいろいろ経験を積んで、これという自分の考え方を固めることです。
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