各命式に必要な用神は何か。奥義のようにして実際基礎中の基礎、というか、これがわからなくては何も始まらないものです。
日干がどのくらい通根しているかで、命式の身旺、身弱を判断する。
大体、根が2つ以上なら身旺、1つなら身中、0なら身弱と考える。
なぜ?
単純に地支だけを考える。それぞれ1つの五行が選ばれるのは確率1/5だ。
日干と同じ五行が1つもない確率・・・(4/5)X(4/5)X(4/5)X(4/5)=0.4
日干と同じ五行が1つある確率・・・・4X(1/5)X(4/5)X(4/5)X(4/5)=0.4
日干と同じ五行が2つ以上ある確率・・0.2
こうして考えるとですね。見弱をもし1つ以下の根とすると、8割の人が見弱になってそれはバランスが悪い。
ふつう、この世の中、身弱は半分より少ないでしょう。という感覚を表現したければ、1つも根がないのを見弱と考える。
理屈からも、すんなり受け入れられる。
2つ以上は、2割だけ。これって、パレートの法則の8:2と考えてもいいだろう。

つまり、身旺って社長の風格なんで、そういうエリート層が2割、それで凡人たち8割を支えるという、これも直感的になるほどという数字だ。
そう、だからこの身旺、身弱の定義はしっくりくるわけ。
それでいうと、月支というのは1つあるだけで3つ根っこがあるのと同じなわけだ。
となると、その月支の特別ルールがなければ、計算は省略するけど、確率としては0.05なんですよ。
これはね、ちょうど2σの法則なんですね。
3σは0.3%なんで少なすぎです。
2σは5%なんで、有意水準の5%など統計の検定で使われる確率なのでしっくりきます。
月支ってもうほぼ悪神決定なんですよね。実は。
さらに、日干と月支と五行が一致すると、もう限りなく悪神なんだ。
月支が3倍という2つ目の理由は、月支以外の地支が3つあるからともいえる。
地支だけでバランスをとる必要もないのだが、根だけを考えると、まぁそのくらいきつめに月支を評価したほうがいい。地支だけでトントンってイメージで。
もちろん、地支だけでなく天干にもよい五行、つまり用神は来てくれたほうがいいのだが。
そして3倍ルールの3つ目は、前にも触れたかもしれないが、月支を3ポイント、それ以外を1ポイントとして8つの字のポイントの合計を取ると10ポイントときりがいいから。
さて、身旺、身弱の定義として、身旺を日干の通根2つ以上と表現しました。
するとですよ、たとえば甲日春月の木の4ポイントをどう丙で漏らすかということになる。
丙の通根が2つだと、また丙だけで身旺となりかねないからバランスが悪い。
火が4つも必要となると、命式の半分を火が埋めることになる。
やはり、天干2つで地支1つか、天干2つで地支2つくらいの火でちょうどバランスが取れるだろう。
あと、調候用神として癸を入れるというのが甲日春月の用神だった。
こういう風に用神の強さを考えればよい。
辰月となると、春月ほどには丙を用意しなくていい。まぁ2つもあれば十分だろう。
癸もいらない。辰月に水が入っているから。
もし金を使うにしても2つまでだろう。
こういう四柱推命の力量論を考える場合に、なぜここは根が2つなのか、ここは3つなのか、というのはたぶんに確率論から導き出すことができます。
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