生年月日に時間が加わり、情報を足せば足すほど占いの精度が上がると信じている人がいます。
たとえば、生まれた住所の経度によって、実際は生時が変わりますよね。
はっきり言いましょう。気休めです。
占いの精度とは関係ありません。
四柱推命には誤差論があります。
たとえば蔵干も気休めで細かくいろいろ入れたところでですよ、なんで巳月に金が入ってくるんですか。いくら三合でももう溶けまくっているでしょう。
方角で360度表にして、いろんな歴史の中、ルールに縛られてできた蔵干なわけですよ。
この時刻のルールもそうです。せっかくルールを決めたんで、ちゃんとやらないと気が済まないわけですよ。
だから、立春も日付だけでなく時間も考慮して、年干支というえらくざっくりしたものも大きく変わるかどうか、ドキドキしながら数字とにらめっこするんです。
もともと、四柱推命は天のサイコロ振りであり、ランダムに割り振られたマイナンバーとしか思ってない、科学者あがりの四柱推命鑑定士である自分がいますので、すごく懐疑的なんです。
やれるんだから、やったらいいですが、たとえばですよ、あなたの腕時計をいま、経度に合わせて修正をかけたらしっくりきますか?
この分単位の現代社会において、皆が時計とにらめっこしながら、電車の待ち時間を計算したり経路をアプリで調べたりするわけですよ。
つまり、人間の運勢は、こと、日本においては、明石の標準時間で動いてます。
あきらかに、標準時間で占ったほうがいいに決まってます。
田舎の、あまり時刻に縛られず、日が昇ったら動き出し、農作業をやって、日が暮れる前に家に帰る、そんな生活だったら、太陽の動きが明確に自分に影響を与えます。
それでも、立春と立春+1を、1日の日没のずれ具合で判断できるかというと・・・うーん、難しいでしょうね。
ぴったり春分の時に太陽の光が日の出とともに部屋の真ん中にすっと光の帯を出して入り込む、計算しつくされた古代エジプトのピラミッドの中で生活しているんだったらともかく。
結局のところ誤差の範囲で、ここは、誤差を考慮することが逆に精度を上げることにつながります。
もちろん、境界ギリギリであることがもとから自明ですから、どっちにでも転ぶな、と思う場合は、たとえ時間を経度で考慮して修正したところで、その結果「用神あり!」となっても、その人の運勢が悪かったら、あえて標準時間に戻すとか、境界の前後で見比べることも必要です。
答えをカンニングして調整している、ずるいと思う方もいるかもしれません。
占いはそんなものです。
すでにわかっている吉凶やその人の特性をみながら、命式の結果とすり合わせ、四柱推命を構成するいろんな要素のカウンターパートが、その人の人生のどの部分どの特性と関連しているかを調整することによって、最終的には命式自体があなたのコピーロボットになり、いろんなことを教えてくれるんです。
自分でも気づかなかったことを。
それをやるためには、誤差を考慮した、境界付近をグラデーションで連続的に解釈することこそが、逆に占いの精度を上げることになります。
では結論。占いの精度を上げるには、緯度を考慮せざるをえないほど微妙な生時ではその前後の2種類の鑑定結果を比較し、その人自身の特性を考慮して、最終的にどちらの生時を選ぶか調整しましょう。
それがほんとの修正方法です。
たんなる経度での修正は自己満足であり、気休めにすぎません。誤差論から言ってもそもそも理にかなってない。
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