用神を見るためには、命式において日干が身旺か身弱かによって変わります。
そのうえで、日干と月支の関係で判断します。
基本的には通変星、もっというと五行だけである程度分かります。
陰陽はとりあえず弱いか強いかですが、丁火は丙火とくらべて弱くなく、むしろ温度は高いので金属を溶かす力は太陽の丙火よりも強いなど、多少の調整は必要です。
そもそも用神には、扶抑用神、専旺用神、病薬用神、調候用神、通関用神など多種多様です。
足りないものを補い、多すぎるものを減らすのが扶抑用神。
もう変わった命式で救いようがなかったら、その個性でonly oneで生きたほうが幸せかも、とバランスを取らないバランスをとる用神が専旺用神。
心の病だったら木とか、皮膚病なら金とか、病薬用神的な見方もあります。
季節で判断する調候用神が一番流布されているでしょうが、それメインだと用神の取り方を間違えます。
水火の激冲の時に、間にワンクッション置くために木が欲しい、という場合、通関用神と呼びます。
まぁいろいろありますが、基本的には身弱か身旺か、次に日干と月支で見るのがいいでしょう。
身旺・身弱と用神
日干の通根(同じ五行の地支)の数が多いと身旺、少ないと身弱です。
日干と月支が同じ五行なら、身旺であること間違いなしですが、一応何があるかわからないので、一発逆転もありうるバランスにしたいところ。
だとすると、4つある地支のうち、月支に対しては残り3つしかないわけだから、月支:それ以外の地支の力配分は3:1とみるのがよいでしょう。
確率的には4つの地支がばらばらの五行であることが多いでしょう。
身旺となるには多少レアケースとみるべきなので、月支と対抗できるほどそろわなくても、アトランダムなケースよりかは偏りのある、通根2個以上を身旺とすべきです。
通根1個は身中、0個は身弱です。
身旺の場合、用神候補は漏星である食傷星、あとは財星、官星です。官星はきつく剋されるので、できれば当たり障りのない食傷星が望ましいところです。
身弱の場合、自星である比劫星、あと自分を生み出す印星です。ただ、庚日辛日生まれだったら、土が印星です。土はいやなものです。なので金の日干の時は身弱だと金のみを用神とみるべきでしょう。
十干を意識した用神
そのうえで日干が十干のうちどれかに従い、調整することになります。
通変星的な考え方とずれるのは、
- 土を避ける
- 水火の激冲を避ける
- 熱すぎず冷たすぎない金や木を優先
これに尽きます。
日干が壬や癸のときは、大体通変星のとおりです。
五行において金や木がどのような配置かというと、木火土金水なので、金から水を経由して木となります。
だから、身弱なときは2つしか用神候補の五行がないので悩むことはないですが、身旺なときは3つ用神候補の五行がありますから、下手すると金と木と両方候補に入る場合があるわけです。
それはどの場合かというと、金が食傷星で、木が官星のとき。それは、土が日干の時です。
このときばかりは、2つの用神候補がありますから、どちらか、すでに命式に多いほうを選びます。
どっちもあれば、好きなほうをどうぞ。できれば食傷星の金が望ましいですが。
あと、季節が夏とか冬とか、平温でないときは、温度調整の用神が必要です。
根本的な用神ではなく調節の用神ですので、まぁある程度必要な用神が足りていてさらに、というときに使うものです。それが調候用神です。
夏だったら水とか、冬だったら火ですね。
あと、皆に忌み嫌われる土の位置関係です。印星に土がくる、庚日辛日生まれの身弱の人は、もう印星に頼ることができないので、自星の金にかかわる申酉を期待するしかないわけです。
身旺のときに一番のぞましい食傷星が土だったらこまります。そう、丙日丁日生まれの人です。
そのときは、財星に平温の金がありますから、そちらを優先的に使うことになります。
これで大体用神を取ることができると思いますよ。